孔子

解説 INTRODUCTION

知られざる「人間・孔子」の生涯!

釈迦、キリストなどともに世界四大聖人に数えられる孔子。諸子百家と呼ばれる他の知識人とは何が違ったのか? “野合(現代で言う事実婚)"で生まれたとされる孔子だが、このドラマは、両親の運命的な出会いで幕を開ける。多感な少年時代を経て、仕官し、戦乱の世を生き抜き、やがて各国に名声を轟かせる―その過程の中で出会う人物は、実に多種多様だ。知の礎を築いてくれた人生最大の師、のちに敵に転じてしまう幼なじみ、優れた君主、愚かな君主、知を競い合うライバル、そして何よりも愛した多彩な弟子たち。こうした人々との出会いが、旅が、折々の挫折が、苦悩が、「人間・孔子」を「聖人・孔子」たらしめたと実感できる全38話である。

三国時代を超える中国最大の乱世! 「春秋戦国時代」

約500年に渡り、覇権と謀略が渦巻いた中国史上最大の乱世。孔子を鍛え、生きる知恵を与えたその時代背景を再現する。ドラマの冒頭、孔子の父・孔叔梁(こうしゅくりょう)は魯の使者として斉を訪れるが、大国間の密約に阻まれ、やがて別の派遣先で戦死する。その後も繰り返される国同士の駆け引き、衝突、国内での謀反。ドラマは、その実像を臨場感豊かに描きながらも、生涯を通じて戦争に反対し、野ざらしになった兵の遺体を涙ながらに自ら埋葬した孔子の姿を伝える。

壮大なスケール!とアドベンチャー!

変化に富んだ、様々な中国の雄大な景色をバックに進む孔子と弟子たちの旅。このドラマの魅力の一つは、ライブ感あふれる洗練された映像美である。合わせて堪能したいのが俳優陣の名演。主演のチュウ・ガンリーヤオは、日本を代表する特殊メイクアーティスト江川悦子とのタッグで、15歳から73歳までの孔子を見事に演じきり、中国を代表する名優ニー・ダーホン、ワン・シュエチー、スン・チュンらが脇をかためた。孔子の母・顔徴在(がんちょうざい)に扮したソン・ジア、運命の女・小姜(しょうきょう)役のマオ・ジェンジェ、希代の妖婦とされる南子(なんし)役のリー・シンルーなど、タイプの違うオリエンタルビューティーたちの競艶も必見!

企業家、経営者も知りたがる「論語」の世界、その教えとは?

吉田松陰、西郷隆盛など明治維新の志士たちばかりか、現代の企業家たちにも愛される『論語』。ドラマは、弟子たちとの対話を通じ孔子の教えを伝える『論語』が制作されていくプロセスを、当の弟子たちが語るというユニークな形式をとっている。「三十にして立つ」と言わしめた貴重な出会いの相手、不惑の四十を迎えた頃の暮らしぶり、「五十にして天命を知る」という言葉を地で行くような旅立ち―2500年の時を超え、なおも語り続けられる金言が生まれた背景を、ドラマは描き出す。

今、明らかになる、あの「孔子」の真実。